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大規模修繕の発注方式はどう選ぶ|設計監理方式と責任施工方式、それぞれの向き不向き

大規模修繕の進め方は、大きく設計監理方式と責任施工方式に分かれます。第三者に設計と監理を任せるか、工事会社に一括で任せるか。どちらが正しいかではなく、自分の管理組合の状態でどちらが向くのか——判断の材料を整理しました。

2026.08.17 更新

大規模修繕の話が始まると、わりと早い段階で「どういう進め方にしますか」という問いが来ます。ここで方式を決めることになるのですが、専門用語で説明されて、そのまま管理会社の提案どおりに進むことも少なくありません。

方式には主に2つあります。違いを押さえておくだけで、提案の受け止め方が変わります。

2つの方式

設計監理方式は、工事会社とは別に、第三者のコンサルタント(設計事務所やマンション管理士など)が入る形です。コンサルタントが劣化診断をして仕様を決め、工事会社を選ぶための資料をつくり、工事が始まってからは監理をします。

責任施工方式は、管理組合が直接、工事会社を探して発注する形です。診断から施工まで、その会社が一貫して担当します。

それぞれの向き不向き

設計監理方式の利点は、設計する側と施工する側が分かれていることです。工事の内容を決める人と、その工事で儲ける人が別なので、仕様が過剰になりにくい。工事中も第三者が見ているので、手抜きへの牽制が働きます。

一方で、コンサルタントへの費用が別途かかります。そして——ここが重要なところですが——コンサルタント選びを誤ると、この方式の利点が丸ごと裏返ります。設計する側と施工する側が裏でつながっていれば、第三者チェックは形だけになるからです。

責任施工方式の利点は、窓口が一つで話が早いことと、コンサルタント費用がかからないことです。コンサルタントを間にはさまないので、その経路での談合は起こりません。

弱点は、仕様の妥当性を管理組合が自分で判断しなければならないことです。「この工事は本当に必要か」「この金額は妥当か」を、専門知識のない役員が見極めるのは簡単ではありません。

つまり、選択はこう整理できる

設計監理方式 責任施工方式
仕様を決める人 第三者のコンサルタント 工事会社
費用 コンサルタント費用が別途 中間費用は不要
強み 設計と施工が分離、工事中も監理が入る 窓口が一つ、進行が早い
弱み コンサル選びを誤ると利点が消える 仕様の妥当性を組合が判断しにくい

「どちらが優れているか」ではありません。組合に判断できる人がいるか、信頼できる第三者を見つけられるかで決まります。

第三の道:プロポーザル方式

各社の仕様と工事金額を見て、最も管理組合にふさわしい提案をしてきた会社に発注するプロポーザル方式という進め方もあります。単純な価格競争ではなく提案内容で選ぶため、談合を避けやすく、管理組合の要望が反映されやすいと言われます。

「安いところ」でも「言われたところ」でもなく、提案を比べて選ぶという発想です。

決める前にやっておきたいこと

方式を決めるのは、実は最初の一歩ではありません。その手前に置くべきものがあります。

  1. 長期修繕計画を見直す(そもそも何を、いつ、いくらでやる想定なのか)
  2. 積立金の状況を確認する(足りるのか、足りないなら何が選択肢か)
  3. 利害関係のない第三者に一度見てもらう

3つ目には、自治体の制度が使えます。神奈川県内の市では、マンション管理士や建築士の派遣を無料または一部負担で受けられます。工事会社にもコンサルタントにも利害のない立場から意見をもらえるのは、この段階でいちばん価値があります。

制度は市によって内容がかなり違うので、神奈川のマンション管理組合が使える支援・補助制度まとめ にまとめてあります。

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