写真は準備中

ホーム補助金神奈川のマンション管理組合が使える支援・補助制度まとめ|横浜・川崎・相模原・横須賀・藤沢と県の制度を比較

補助金

神奈川のマンション管理組合が使える支援・補助制度まとめ|横浜・川崎・相模原・横須賀・藤沢と県の制度を比較

長期修繕計画の作成費用に補助が出る市、管理計画認定の申請費用を補助する市、アドバイザー派遣の回数で負担割合が変わる市。神奈川のマンション管理組合向け制度は自治体ごとにまったく違います。各市と県の公式情報をもとに、横並びで比べられるように整理しました。

2026.08.23 更新

大規模修繕が近づくと、管理組合はいくつもの判断を一度に迫られます。長期修繕計画は今のままでいいのか、積立金は足りるのか、コンサルタントを入れるのか、業者はどう選ぶのか。

そのとき見落とされがちなのが、自治体の支援制度です。相談窓口や専門家派遣だけでなく、長期修繕計画の作成費用そのものに補助を出している市もあります。しかも中身は市ごとにかなり違います。

このページでは、神奈川県内の主要市と県の制度を、公式情報をもとに横並びにしました。

まず、窓口が「市」か「県」かで分かれる

マンション管理計画認定制度は、市が認定する地域と、県が認定する地域があります。神奈川県は、町村部のマンションについて県が認定を行っています。

つまり同じ神奈川でも、住んでいる場所によって最初に連絡する先が違います。市部なら市、町村部なら県です。ここを間違えると一手遅れます。

主要市の制度を比べる

横浜市 — 補助メニューがいちばん多い

横浜市は制度の数が県内で最も多く、費用補助が3つあります。

制度 内容
マンション長期修繕計画作成促進モデル事業 長期修繕計画がない・見直していないマンションに、計画作成費用の一部を補助
マンション再生支援事業 建替え/売却/住み続けるの比較検討、初動期の合意形成までのコンサルタント費用を補助
マンション・バリアフリー化等支援事業 共用廊下・階段・敷地の段差解消や手すり設置の費用を一部補助

このほか、補助ではない支援として、マンション・アドバイザー派遣(マンション管理士・建築士などの専門家派遣)、管理組合活動活性化支援、マンション登録制度、団地再生コーディネート支援事業、市内マンション同士の交流会、基礎セミナー動画があります。

2025年10月には、横浜市住宅供給公社が「大規模修繕工事の入札代行サービス」を創設すると発表しました。管理組合による工事事業者の選定を支援するものです。業者選定に不安がある組合にとっては、選択肢が一つ増えたことになります。

問い合わせは建築局住宅部住宅再生課(045-671-2954)です。

川崎市 — 相談の回数が「登録しているか」で変わる

川崎市の入口は、川崎市住宅供給公社ハウジングサロンです。マンション管理士・一級建築士などによる無料相談を行っています。

ここに川崎らしい仕組みがあります。窓口相談または電話相談のあと、現地への専門家派遣が受けられるのですが、その回数が違います

  • 管理組合登録・支援制度に登録しているマンション:3回まで無料
  • 未登録のマンション:1回まで無料

つまり登録しておくだけで、使える支援が3倍になるということです。大規模修繕の検討は一度の相談では終わらないので、この差は小さくありません。

助成制度も幅広く、マンション段差解消工事等費用助成、マンション耐震診断に係る予備調査事業、マンション耐震改修等事業助成、民間建築物吹付けアスベスト対策事業、太陽光発電設備等設置費補助金、EV用充電インフラ補助金(共同住宅向け)、宅地防災工事助成金、緑化助成、狭あい道路拡幅整備助成、コンサルタント派遣制度などが並びます。大規模修繕と同時に検討する価値のあるものが多く含まれています。

ハウジングサロンの無料相談予約は火〜土曜(祝日・年末年始は休み)、044-874-0180、9時〜12時/13時〜16時です。

相模原市 — 使うほど自己負担が上がる、回数制の設計

相模原市の「分譲マンションアドバイザー派遣制度」は、回数によって負担割合が変わるのが特徴です。

回数 市の負担 管理組合の負担
1回目 全額(無料) なし
2〜3回目 3分の2 3分の1
4〜6回目 2分の1 2分の1

管理組合の設立、管理規約の見直し、大規模修繕・改修、建替えなどが対象で、専門家が現地に来てアドバイスします。申込は住宅課(042-769-9817)です。

「まず1回無料で呼んでみる」ができる設計なので、迷っている段階でも動きやすいのが利点です。

横須賀市 — 相談会と研修が軸

横須賀市は、よこすかマンション管理組合ネットワークが窓口になっています。

  • マンション相談会:毎月1回・土曜午後の定期相談会に加えて、出張相談会もあり
  • マンション管理組合新任役員研修会:適正管理と組織運営について専門家が講義(令和8年度は7月11日開催・先着50名・無料)
  • まちづくりアドバイザー派遣:再生を検討している管理組合に専門家を派遣し、勉強会の開催も支援
  • マンション管理計画認定制度

市は令和6年3月に「横須賀市マンション管理適正化推進計画」を策定しています。予約は046-824-8133です。

新任役員向けの研修が制度として用意されているのは横須賀の特色です。輪番制で役員が毎年入れ替わる組合にとっては、実務的にありがたい設計だと思います。

藤沢市 — 認定申請と長期修繕計画に、ピンポイントで補助

藤沢市は、補助の当て方が絞られています

  • マンション管理計画の認定申請に係る経費の一部を補助
  • 長期修繕計画の作成・見直しに係る費用の一部を補助

分譲マンションに関する相談は市民相談室(0466-50-3568)で、管理規約の改正、大規模修繕、長期修繕計画などに応じています。

「認定申請の費用そのものに補助を出す」市は多くありません。 管理計画認定を取りにいく予定があるなら、藤沢市の組合は確認しておく価値があります。

比べると見えてくること

同じ神奈川県内でも、支援の考え方がはっきり分かれています。

  • 横浜市:補助メニューが多く、計画づくり・再生検討・バリアフリーの3方向に費用補助
  • 川崎市:相談の入口を公社に一本化し、登録の有無で支援の厚みを変える
  • 相模原市回数制で、最初の一歩を無料にして動きやすくする
  • 横須賀市:相談会と役員研修で、組合の運営力そのものを底上げする
  • 藤沢市認定申請と長期修繕計画にピンポイントで補助

自分の組合が今どの段階にいるかで、効く制度が変わります。計画がそもそも古いなら横浜・藤沢の計画作成補助、何から手をつけるか分からないなら相模原の初回無料派遣や川崎のハウジングサロン、役員が毎年替わって困っているなら横須賀の研修、という具合です。

業者選びの前に、知っておきたいこと

大規模修繕の発注方式には、主に設計監理方式(第三者のコンサルタントが設計と工事監理を担う)と責任施工方式(管理組合が直接工事会社に発注する)があります。

設計監理方式は透明性が高い一方で、コンサルタント選びを誤ると談合や癒着の構造に巻き込まれるリスクが指摘されています。国土交通省は「マンション大規模修繕工事の発注等の適正化について」という通知を出し、管理組合に注意を促しています。コンサルタントが利益相反を起こさない中立的な立場を保てているか——ここが要点です。

だからこそ、自治体の相談窓口や専門家派遣を先に使う意味があります。利害関係のない立場から見てもらえるからです。横浜市住宅供給公社の入札代行サービスのように、選定そのものを支援する仕組みも出てきています。

進め方

  1. 自分のマンションが市部か町村部かを確認する(認定制度の窓口が変わります)
  2. 市の相談窓口に連絡する(川崎なら、先に管理組合登録をしておくと派遣が3回に増えます)
  3. 長期修繕計画の作成・見直しに補助が使えるか確認する
  4. そのうえで、発注方式とコンサルタントの選定に進む

制度を使う順番を間違えなければ、費用も判断の質も変わります。

出典

制度の内容・金額・受付状況は年度によって変わります。申請前に必ず各自治体の担当課でご確認ください(内容は2026年8月時点で確認したものです)。補助額や上限が公表されていない制度については、本記事でも金額を記載していません。