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選び方

分電盤とアンペアの見方|IH・EV充電・エアコン増設で足りなくなる順番

契約アンペアを上げれば解決するとは限りません。先に足りなくなるのは分岐回路、次に100Vか200Vか、最後が契約アンペアです。今の契約の調べ方と、電力会社に頼む部分と電気工事店に頼む部分の境目を整理しました。

目次
  1. 分電盤に並んでいる3つのものを区別する
  2. 足りなくなるのは、この順番です
  3. いまの契約アンペアを調べる
  4. 誰に頼むのか。境目はここです
  5. 頼む前に、これだけ手元にまとめておく
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この記事の情報は2026年10月1日時点で確認したものです。制度や連絡先は変わることがあるため、実際に依頼する前に、お住まいの市区町村や公式の窓口でご確認ください。

IHに替えたい、EVを充電したい、部屋にエアコンを足したい。このとき最初に出てくる言葉が「アンペアを上げる」ですが、契約アンペアを上げても解決しない場合のほうが多いです。

家の電気は、上流から下流へ、いくつもの関門を通ります。詰まる場所が違えば、頼む相手も費用も変わります。まず自分の家がどこで詰まっているのかを見ます。

分電盤に並んでいる3つのものを区別する

東京電力パワーグリッドの説明では、分電盤の中身は次のように分かれます。

名前 場所 役目
アンペアブレーカー いちばん左端 一定以上の電気が流れると自動的に切れる。契約アンペアの大きさで色が違う
漏電遮断器 真ん中あたり 配線や電気製品が漏電したとき、すばやく感知して電気を切る。火災や感電を防ぐ
配線用遮断器(安全ブレーカー) 右側に並んだ小さいもの 各部屋へ分かれた回路(分岐回路)を1回路に1つずつ守る。1回路に流せるのは20アンペアが目安

なお、スマートメーターで契約アンペアを設定している家には、アンペアブレーカーが付いていません。 左端に大きいものが無くても異常ではありません。

古い家では、配線用遮断器のかわりに安全器(ヒューズ)が付いていることがあります。異常時にヒューズが切れて電気を止めるもので、切れるたびに交換が要ります。東京電力パワーグリッドは配線用遮断器への取り替えをすすめています。

どれが落ちたのかで対処が変わります。落ちたときの手順はブレーカーが落ちたときの見分け方にまとめてあります。

足りなくなるのは、この順番です

上の表のとおり、関門は3段あります。そして下流から先に詰まります。

1段目:分岐回路(配線用遮断器)

1つの回路に流せるのは20アンペアが目安です。エアコンや電子レンジのように消費電力が大きい機器は、ほかと同じ回路にぶら下げると、その回路だけが落ちます。このとき契約アンペアを上げても何も変わりません。 必要なのは、その機器のための回路を新しく引くこと(専用回路の増設)です。エアコンの増設でつまずくのは、たいていここです。

2段目:100Vか200Vか(単相2線式か単相3線式か)

引き込みの方式で使える電圧が決まります。東京電力パワーグリッドの説明では、単相3線式は3本の電線のうち中性線と上または下の電圧線を使えば100V、中性線以外の上下の電圧線を使えば200Vが使えます。単相2線式は電圧線と中性線の2本なので、100Vしか使えません。

200VのIHクッキングヒーターやEV用の充電設備を考えているなら、ここが最初の分かれ目になります。単相2線式の家では、契約アンペアをいくら上げても200Vは出てきません。引き込みから分電盤まで、まとまった工事になります。EV充電についてはEV充電用コンセントを付けるときの手順も見てください。

3段目:契約アンペア

家全体で同時に使える量です。ここに届くのは、1段目と2段目がすでに足りている家だけです。「同時に使うと家じゅうが真っ暗になる」なら契約アンペア、「その部屋だけ落ちる」なら分岐回路、と切り分けられます。

いまの契約アンペアを調べる

東京電力エナジーパートナーの「従量電灯B」では、10〜60アンペアから選ぶ形になっています。確認方法は2つです。

  • 分電盤を見る。アンペアブレーカーの色と数字で分かります
  • 検針票(電気ご使用量のお知らせ)を見る。Web検針票でも確認できます

アンペアブレーカーの色は次のとおりです。契約内容が分からないときは、契約している電力会社のカスタマーセンターに聞くのが確実です。

色 赤 桃 黄 緑 灰 茶 紫
契約アンペア 10 15 20 30 40 50 60

従量電灯Bの基本料金は契約アンペアで決まります(2026年9月30日時点、税込・月額)。10Aが311円75銭、15Aが467円63銭、20Aが623円50銭、30Aが935円25銭、40Aが1,247円、50Aが1,558円75銭、60Aが1,870円50銭です。使用量に応じた電力量料金の単価は変わりません。

なお東京電力エナジーパートナーは、契約アンペアを下げても電気料金の合計額が必ず下がるとは限らないと説明しています。基本料金は下がりますが、電力量料金は使い方によっては変わらない、あるいは増えることもあるためです。

誰に頼むのか。境目はここです

ここを取り違えると、要らない工事費を払うことになります。

契約アンペアの変更 → 契約している小売電気事業者

電線やメーターを持っているのは東京電力パワーグリッドですが、東京電力パワーグリッドは契約の問い合わせを受け付けていません。東京電力エナジーパートナー以外の会社(いわゆる新電力)と契約していても、申し込み先はその会社です。その会社が東京電力パワーグリッドに申し込み、東京電力パワーグリッドが遠隔操作などで切り替えます。新電力での条件や費用は、公式に一律の決まりが見つからなかったので、契約先の案内を確かめてください。

東京電力エナジーパートナーと契約しているなら、カスタマーセンターへの電話、またはインターネットから申し込みます。スマートメーターが付いていれば、立ち会いは原則不要です(設備によっては必要な場合あり)。契約開始から1年間は変更できません。条件は次のとおりです。

  • 変更前後の契約アンペアがどちらも10〜60アンペアの範囲なら、無料
  • 現在アンペアブレーカーが付いている場合は取り外し工事を行い、変更後はスマートメーターで契約アンペアを設定します。工事の際に10〜15分程度停電します
  • すでにスマートメーターで設定している場合は、アンペアブレーカーの取り付けは行いません
  • 契約内容や電気設備の状況によっては、電気工事店による工事が必要になることがあり、その費用は自己負担です
  • 60アンペアより大きい契約を希望する場合は、カスタマーセンターに相談する形になります
  • 電気の契約は年間契約が基本で、季節ごとの変更はできません。1年でいちばん電気を使うときに合わせて決めます
  • アパートやマンションでは、所有者や管理人の承諾が必要な場合があります

分電盤の交換、専用回路の増設、200Vへの対応 → 電気工事店

こちらは電気の契約の話ではなく、家の設備の話です。電気工事士法第3条により、一般の住宅(一般用電気工作物等)の電気工事は、第一種または第二種の電気工事士免状の交付を受けている人でなければ作業に従事できません。違反には3月以下の拘禁刑または3万円以下の罰金(同法第14条)が定められています。

請け負う会社の側にも決まりがあります。電気工事業法(電気工事業の業務の適正化に関する法律)第3条第1項により、営業所が1つの都道府県内だけなら都道府県知事、2つ以上にまたがるなら経済産業大臣の登録が必要で、有効期間は5年です。建設業法の許可を受けた建設業者は登録のかわりに届出をします(同法第34条)。また同法第25条により、営業所だけでなく電気工事の施工場所ごとに、氏名または名称と登録番号などを記した標識を掲げる義務があります。

コンセントを自分で増やせないか、という話はコンセント増設をDIYでやっていいのかに整理しています。地域の電気工事店は電気工事の名簿から探せます。

頼む前に、これだけ手元にまとめておく

見積りの精度は、渡した情報の量で決まります。

  1. 分電盤の写真(扉を開けた状態。並んだブレーカーの文字が読めるように)
  2. 現在の契約アンペア(アンペアブレーカーの色、または検針票)
  3. 落ちる状況(何を同時に使ったとき/どの部屋か/家じゅうか一部か)
  4. これから入れたい機器(品番が分かるなら品番。消費電力は取扱説明書や本体の表示に書いてあります)
  5. 建物の条件(築年、戸建てか集合住宅か、集合住宅なら管理規約の確認が要ることも)

この5つがあれば、「契約アンペアの話なのか、回路の話なのか、引き込みの話なのか」を電気工事店が先に切り分けられます。順番を間違えなければ、余計な工事は減ります。

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