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隣の家の屋根や雨樋がはみ出している|勝手に切ることはできません

越境しているからといって、一方的に隣家の屋根を切除することはできません。まず境界をはっきりさせること。そして多くの場合、申し出れば快く対応してもらえます。訴訟は最後の手段です。

目次
  1. 勝手に切ることはできません
  2. まず、境界をはっきりさせる
  3. 多くの場合、言えば解決します
  4. すぐに直せない場合の落としどころ
  5. 実害が出ている場合
  6. 訴訟は、最後の手段
  7. 売却の予定があるなら、早めに

この記事の情報は2026年8月25日時点で確認したものです。制度や手続きは時期・加入先・事業者によって変わります。行動の前に、必ずご自身でご確認ください。

隣の家の屋根の軒先が、こちらの敷地に出ている。雨樋がはみ出している。ブロック塀の基礎が入り込んでいる。

気づいたときには何十年も経っていることが多い問題です。だからこそ、進め方が大事になります。

勝手に切ることはできません

越境しているからといって、一方的に隣家の屋根などを切除することはできません。

これは木の枝とは扱いが違います。枝については2023年の民法改正で自分で切れる場合が生まれましたが、建物の一部(屋根・雨樋・塀)は別です。

手を出せば、器物損壊の問題になります。

まず、境界をはっきりさせる

まずは土地の境界がはっきりしていなくてはなりません。土地家屋調査士事務所に調査測量を依頼して、境界をはっきりさせて図面に残しておくことが大切です。

「越境しているはずだ」と思っていても、境界が確定していなければ議論になりません。逆に、測ってみたら越境していなかった、ということもあります。

境界そのものが分からない場合の進め方は 境界の杭がない・動いている にまとめました。筆界特定制度という、裁判によらない方法があります。

多くの場合、言えば解決します

意外に思われるかもしれませんが、実務ではこうです。

隣の方に申し出れば、すぐに快く対応してくれることがほとんどです。

相手も知らないことが多い。前の所有者の時代からそうなっていた、というケースが大半です。

だから、責めるのではなく「知らせる」姿勢で伝えるほうが、はるかに早く進みます。

すぐに直せない場合の落としどころ

屋根や塀の越境は、直すのに大きな工事が要ることがあります。その場合、実務では覚書を交わす方法が取られます。

  • 越境している事実を、書面で相互に確認する
  • 建て替えや改修のときに解消する、と約束しておく
  • その約束が、次の所有者にも引き継がれるようにしておく

これで、将来の売買のときに問題になるのを防げます。「越境の覚書があるか」は、不動産取引で必ず確認される項目です。

実害が出ている場合

隣家の枝が屋根に伸びることで、落ち葉が雨樋を詰まらせ、雨を流すことができなくなるため、外壁にダメージをもたらす可能性があります。

雨樋が詰まると、外壁や基礎が傷みます(雨樋が壊れた・詰まった)。実害があることを具体的に伝えると、話が進みやすくなります。

訴訟は、最後の手段

法的な解決をするためには裁判所へ訴訟を起こし、判決に基づく強制執行をすることになりますが、そうすれば隣人関係は気まずいものになり、安らげない日々を送ることにもなりかねません。

勝っても、隣に住み続けます。そこまでの価値がある越境かどうかを、冷静に見てから判断してください。

売却の予定があるなら、早めに

越境は売りにくさの原因になります。買主の金融機関が難色を示すこともあります。売る話が出た時点で、覚書だけでも交わしておくと、後が楽です。

この記事について

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