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選び方

「無料で分電盤を点検します」と訪ねてきた業者|その場で契約しないための見分け方

電力会社の名前を出して分電盤の点検を持ちかける手口の相談が急増しています。本物の調査は4年に1度・書面で事前案内・電話では日時を知らせません。玄関で確かめる資格と登録、契約してしまったときの8日間の手続きまで整理しました。

目次
  1. 相談は急増していて、狙われているのは高齢の世帯
  2. 本物の調査は、電話で日時を知らせません
  3. 玄関で確かめるのは「資格」と「登録」の2つ
  4. 契約してしまったら、8日間
  5. 本当に分電盤を見てほしいときの進め方
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この記事の情報は2026年10月1日時点で確認したものです。制度や連絡先は変わることがあるため、実際に依頼する前に、お住まいの市区町村や公式の窓口でご確認ください。

その場でサインしない。これだけで、ほとんどの被害は防げます。

「分電盤が古いので漏電する可能性がある。危険なので交換したほうがいい」と言われると、電気のことは分からないので判断できません。だから、判断せずに済ませる方法を先に決めておきます。点検は受けても、契約は玄関でしない。 見積書を置いていってもらい、日を改める。急がせてくる相手ほど、この一線を引く価値があります。

相談は急増していて、狙われているのは高齢の世帯

国民生活センターは2025年1月15日に注意喚起を出し、2026年9月16日に「相談が各地に広がり増加しています」として改めて注意を呼びかけました。

年度 相談件数
2022年度 14件
2023年度 39件
2024年度 1,290件
2025年度 6,545件(前年度の約5倍)

2024年度は南関東で目立っていた相談が、2025年度には北関東や九州北部など各地に広がった、とされています。2025年度の契約当事者は8割超が70歳以上、契約金額は平均で約18万円でした。「市役所から依頼された」と名乗った業者の例もあります。

同センターが挙げているうその説明の例が、そのまま見分けの材料になります。

  • 「分電盤は15年で交換することが法律で決められている」
  • 「漏電による火災は保険が下りない」
  • 「すぐに交換しなければ漏電して火事になる」

1つ目について、国民生活センターははっきり書いています。「住宅用分電盤の使用期限を定めた法律はありません。」

経済産業省も2025年1月15日に「電気設備の点検等を装った訪問者に御注意ください」という注意喚起を出しました。実在する電力会社などを名乗って電話や訪問で点検を持ちかけ、不安をあおって、その場で高額な契約を持ちかける事例がある、という内容です。

本物の調査は、電話で日時を知らせません

ここが一番はっきりした見分けどころです。一般送配電事業者(神奈川県なら東京電力パワーグリッド)は、電気事業法(第57条、第57条の2)にもとづき4年に一度、各家庭を訪問して電気設備が漏電していないかを調べています。この調査には、次の決まりがあります。

本物の調査 実際
点検日時の連絡 原則として事前に書面で案内。電話で知らせることはない
誰が来るか 国の登録を受けた登録調査機関に委託(一部地域は事業者の社員)
身分の証明 調査員は必ず身分証(勤務証)を携帯
費用 調査の際に費用をもらうことはない
その場の契約 設備交換などの契約を持ちかけることはない

つまり、電話で点検日時を伝えてきた時点で、法定の調査ではありません。

神奈川でこの調査を受託している関東電気保安協会も、電話による急な訪問や、分電盤の更新などの営業は一切していないと書いています。東京電力も、4年に1回の点検のときに分電盤の取り換えを直接行うことはないとしたうえで、犯行に使われた架空の部署名の例として「保安コールセンター」「保安協会」「測定業務課」「申請業務課」「配電盤の係」などを挙げています。 また、6,000V以上の電圧で受電しているお客さまは、そもそもこの調査の対象外です。

東京電力パワーグリッドの供給エリアは、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県・栃木県・群馬県・山梨県と静岡県の一部です。不審に思ったら、その場で業者に確認するのではなく、東京電力パワーグリッド 0120-995-007(0120がつながらない場合は03-6375-9803/受付9:00〜17:00、日曜・祝日・年末年始を除く)に自分から電話してください。

玄関で確かめるのは「資格」と「登録」の2つ

もし点検を受けるとしても、作業に入る前に確認できることがあります。

1. 作業する人の電気工事士免状

一般の住宅の電気工事は、電気工事士法第3条で、第一種または第二種の電気工事士免状の交付を受けている人でなければ作業に従事してはならないと定められています。これに違反した場合には、3月以下の拘禁刑または3万円以下の罰金(同法第14条)が定められています。

さらに同法第5条第2項で、作業に従事するときは免状を携帯しなければならないとされています。免状は見せてもらえるはずのものです。「今日は持っていない」と言われたら、その日は作業を頼まないでください。

2. 会社の電気工事業の登録

業として電気工事を請け負う会社は、電気工事業法(電気工事業の業務の適正化に関する法律)第3条第1項により、営業所が1つの都道府県内だけなら都道府県知事、2つ以上の都道府県にまたがるなら経済産業大臣の登録が必要です。登録の有効期間は5年で、更新が要ります。建設業法の許可を受けた建設業者は登録が不要ですが、そのかわり電気工事業を開始したときに届け出る義務があります(同法第34条、いわゆるみなし登録)。無登録での営業には、1年以下の拘禁刑もしくは10万円以下の罰金、またはその併科(同法第36条)が定められています。

そして見落とされがちなのが標識です。同法第25条は、電気工事業者に対して営業所だけでなく「電気工事の施工場所ごと」に、見やすい場所に、氏名または名称と登録番号などを記載した標識を掲げることを義務づけています。あなたの家の作業現場も施工場所です。標識を掲げないことには1万円以下の過料(同法第42条)が定められています。

登録されているかどうかは、あとから自分で調べられます。神奈川県では登録電気工事業者の登録簿を誰でも閲覧・謄本の交付請求ができ、電子申請システム(e-kanagawa)から請求できます(閲覧440円、謄本交付600円)。問い合わせは神奈川県くらし安全防災局 防災部消防保安課 工業保安グループ(045-210-3475)です。

契約してしまったら、8日間

玄関先での契約は、特定商取引法の訪問販売にあたります。事業者には、勧誘に先立って会社名・勧誘目的・商品や役務の種類を告げる義務(第3条)、消費者が「契約しない」と示したあとに勧誘を続けたりあらためて勧誘したりしてはならない義務(第3条の2)、契約内容とクーリング・オフに関する事項を記載した書面を交付する義務(第4条・第5条)、事実と違うことを告げてはならない義務(第6条)があります。

クーリング・オフは、法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内であれば、理由を問わず申込みの撤回や契約の解除ができます。通知は書面のほか、電磁的記録(メールや事業者のフォームなど)でも可能です。

ただし、現金取引で総額が3,000円未満の場合など、適用されないケースもあります。書面に不備があったり、クーリング・オフを妨害されたりした場合は8日を過ぎても行使できることがあるので、日数が過ぎたと思っても、まず相談してください。

相談先は消費者ホットライン188(いやや!)です。お住まいの地域の消費生活センターにつながります。

本当に分電盤を見てほしいときの進め方

不安をあおられたのではなく、自分で気になった場合。手順はこうなります。

  1. 症状を書き出す。どのブレーカーが、いつ、何を使ったときに落ちたか。ブレーカーが落ちたときの見分け方で、3種類のどれが落ちたのかを先に確認しておくと話が早く進みます
  2. 自分から複数社に声をかける。向こうから来た1社と比べるのではなく、こちらから選んだ数社で比べる
  3. 見積書をもらう。作業内容、部材、金額、会社名、登録番号。口頭だけの金額は残りません
  4. 日を改めて決める。急がなければならない工事なら、その理由も書面にしてもらう

地域の電気工事店は電気工事の名簿から探せます。横浜市内であれば横浜市の電気工事店にまとまっています。

訪問してきた相手を断るのに、理由はいりません。「今日は決めません」で十分です。

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この記事について

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