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がけ条例とは?神奈川県で家を建てるとき、がけの近くで何が制限されるのか
高さ3メートルを超えるがけの下端から、がけの高さの2倍以内。この範囲に建てるなら、神奈川県では安全な擁壁が必要になります。「土地を買ったのに家が建てられない」を避けるために、建てる前に知っておきたい条例の中身を、県の公式情報から整理しました。
擁壁の話には、もうひとつ入口があります。すでにある擁壁を直すのではなく、これから建てるほうです。
がけの近くに家を建てようとすると、建築基準法とは別に、各都道府県の条例で追加の制限がかかります。これが通称「がけ条例」です。名前は通称で、神奈川県では神奈川県建築基準条例の中に定められています。
土地を買ってから知ると手遅れになることがある——という意味で、これは擁壁の補助金より切実な話かもしれません。
神奈川県のがけ条例は、何を求めているのか
神奈川県建築基準条例第3条は、おおむね次のように定めています。
- 高さ3メートルを超えるがけの下端からの水平距離が、がけの高さの2倍以内の位置に建築物を建てる場合、安全な擁壁を設けなければならない
- 高さ3メートルを超えるがけの上にある建築敷地では、がけの上部に沿って排水溝を設けるなど、がけへの流水または浸水を防止する適当な措置を講じなければならない
- 災害危険区域内で居室を有する建築物を建てる場合、基礎および主要構造部は鉄筋コンクリート造またはこれに類する構造とし、かつその居室はがけに直接面していないものでなければならない
「がけの高さの2倍」という距離感がこの条例の核です。高さ4メートルのがけなら、下端から8メートル以内は制限の範囲に入る、ということになります。
なぜ「土地を買う前」なのか
理由は単純で、擁壁を新しく造る費用が土地の予算に乗ってくるからです。
擁壁の造り直しや新設は、規模によっては数百万円から1,000万円を超えることもあります。土地が安く見えても、条例を満たすための擁壁が必要なら、その差額はあっさり消えます。「がけ下の土地は安い」には理由があるということです。
さらに、がけの上に建てる場合も排水の措置が要ります。上でも下でも、がけが近ければ何かしらの手当てが必要になる、と考えておいたほうが現実的です。
見落としやすいところ
- がけの高さの数え方。一段の擁壁だけでなく、段になっている斜面全体をどう見るかで結論が変わることがあります
- 既存の擁壁が「安全な擁壁」に当たるか。古い擁壁がそのまま認められるとは限りません
- 市によって運用が違う。横浜市・川崎市・横須賀市・藤沢市・相模原市などは特定行政庁で、独自の建築基準に関する規定を持っています。県の条例だけ読んでも足りない場合があります
どう進めるのがいいか
がけが近い土地を検討しているなら、契約の前に、建築士か市の建築指導課に見てもらうのがいちばん確実です。「建てられるかどうか」だけでなく、「建てるためにいくら追加でかかるか」まで含めて土地の値段だと考えると、判断を間違えにくくなります。
すでにお住まいで、擁壁の状態が気になっている場合は、直す側の話になります。神奈川県の擁壁・がけ地の補助金まとめ(11市町の比較) に、11市町の制度をまとめてあります。
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出典
- 神奈川県「神奈川県建築基準条例等について」 https://www.pref.kanagawa.jp/docs/cz4/cnt/f360239/index.html
- 神奈川県「神奈川県建築基準条例等の解説」 http://www.pref.kanagawa.jp/documents/24951/ikkatu.pdf
条例の運用は市町村(特定行政庁)によって異なる場合があります。計画地を管轄する建築指導部局で必ずご確認ください(内容は2026年8月時点で確認したものです)。