役所が公表している名簿と公式情報をもとに作成しています。「PR」表示は掲載契約にもとづく広告です。

選び方

解体業者の「登録」と「建設業許可」は別もの|500万円未満までしか請けられない会社があります

解体工事業登録は請負500万円未満(税込)まで。建設業許可(土木・建築・解体)があれば金額の上限はなく、登録は不要です。どちらを持つ会社かで頼める工事が変わります。名簿での確かめ方と、名簿に無い場合の考え方をまとめました。

目次
  1. 2つの違いを、先に表にします
  2. 500万円は「税込」で、含まれるものが決まっている
  3. 登録も許可もない会社は、そもそも請け負えない
  4. 神奈川県での確かめ方
  5. 「名簿に無い=怪しい」ではありません

この記事の情報は2026年9月30日時点で確認したものです。制度や連絡先は変わることがあるため、実際に依頼する前に、お住まいの市区町村や公式の窓口でご確認ください。

解体工事を頼める会社には、性質の違う2つの資格があります。

解体工事業登録と、建設業許可です。名前が似ていますが、根拠になる法律が違い、請けられる金額の上限が違います。

まず確認してほしいのは1点だけです。「その会社が、あなたの工事の金額を請けられる立場かどうか」。ここを外すと、契約そのものが法律違反の工事になります。

2つの違いを、先に表にします

解体工事業登録 建設業許可(土木・建築・解体)
根拠 建設リサイクル法 第21条 建設業法
請負金額の上限 500万円未満(税込) 上限なし
有効期間 5年 5年
登録・許可先 工事をする区域の都道府県知事 国土交通大臣または都道府県知事
複数県で工事するとき 県ごとに登録が必要 営業所の置き方で大臣許可/知事許可が決まる
もう一方との関係 許可があれば登録は不要 —

大事なのは最後の行です。

土木工事業・建築工事業・解体工事業のいずれかの建設業許可を持っている会社は、解体工事業登録を受ける必要がありません。許可のほうが上位にあたるためです。

ですから、「登録の名簿に載っていない」ことは、そのまま「資格がない」ことを意味しません。建設業許可を持っているから登録簿に載っていない、というごく普通のケースがあります。ここは後でもう一度書きます。

500万円は「税込」で、含まれるものが決まっている

登録でできるのは請負金額500万円未満(税込)までです。500万円ちょうどは越えています。

注意したいのは、「解体費だけ」で500万円を数えるのではないことです。請負契約の金額として、その工事に付いてくる費用がまとまって入ります。そして建築一式工事として請け負う場合は、別の基準(1,500万円以上で許可が必要)が使われます。

家1軒の解体で500万円を超えるかどうかは、建物の規模や付帯工事しだいです。

  • 木造の一般住宅1棟だけ — 超えないことが多い
  • 鉄骨造・RC造、大きな倉庫や工場 — 超えることがある
  • 解体に加えて、擁壁・外構・整地・土地の造成までまとめて頼む — 超えることがある

つまり、「登録だけの会社に頼むかどうか」は、規模ではなく契約の組み方で決まる部分があります。付帯を全部まとめて1本の契約にした結果、その会社が請けられない金額になっていた、ということが起こります。

登録も許可もない会社は、そもそも請け負えない

建設リサイクル法では、土木・建築・解体の建設業許可を持たずに解体工事を営む者は、工事をする区域を管轄する都道府県知事の登録を受けなければならないと定めています(第21条)。

登録を受けずに解体工事業を営んだ場合の罰則は、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です(第48条第1号)。登録の更新を受けずに営業した場合も同じ扱いです。

「うちは小さい工事しかやらないから登録は要らない」は、成り立ちません。金額の大小にかかわらず、解体工事を業として請け負うなら、登録か許可のどちらかが要ります。

登録の要件も一応押さえておくと、話が早いです。神奈川県の案内では、次の2つが求められています。

  1. 登録拒否事由に該当しないこと(申請書の虚偽記載、一定の処分歴、暴力団員等に該当しないことなど)
  2. 技術管理者を選任していること

技術管理者になれるのは、1級・2級建設機械施工技士、1級・2級土木施工管理技士、1級・2級建築士、技術士(建設部門)、1級とび工などの資格を持つ人、または解体工事の実務経験がある人です。実務経験の年数は、大学卒業者で1年以上、高校卒業者で3年以上、それ以外で7年以上(いずれも講習を受講した場合)とされています。

現場に有資格者がいることが、登録の条件になっているということです。

神奈川県での確かめ方

神奈川県知事の登録を受けた解体工事業者は、解体工事業者登録簿として公開されています。

  • この名簿は毎月一度更新されます
  • 掲載項目は、登録番号、商号・名称または氏名、登録年月日、有効期間満了年月日、住所、電話番号、法人の場合は役員の氏名と役名、技術管理者の氏名、営業所の名称と所在地など
  • エクセル版・PDF版をダウンロードできるほか、建設業課内の閲覧所(横浜市中区日本大通33番地)でも閲覧できます

確かめるときは、登録番号と有効期間満了年月日の2つを見てください。登録は5年で切れます。名簿に載っていても、満了日が過ぎていれば更新されているかを確認する必要があります。更新は期限の30日前までの申請と案内されています。

建設業許可のほうは、国土交通省の建設業者・宅建業者等企業情報検索システムで、商号から許可の有無と業種を調べられます。「解体工事業」または「土木工事業」「建築工事業」の許可があるかを見ます。

なお、解体工事業が建設業許可の業種として独立したのは比較的新しいため、「とび・土工工事業」の許可で解体を行っていた会社が存在します。経過措置の扱いは時期によって変わっているので、迷ったら県の建設業課に直接確かめるのが確実です。

神奈川県内の会社は解体の窓口から、横浜市内なら横浜市の解体業者から探せます。県の登録簿をもとにした一覧は神奈川県の解体工事業者登録にまとめています。

「名簿に無い=怪しい」ではありません

ここを誤解したまま会社を外してしまうと、選択肢を自分で狭めることになります。

登録簿に載っていない理由は、少なくとも3つあります。

  1. 建設業許可(土木・建築・解体)を持っているので、登録が不要 — いちばん多い理由です。むしろ金額の上限がない立場の会社です。
  2. 他県の知事登録で、神奈川県内の工事は請けていない — 登録は工事をする区域ごとです。県外の会社が神奈川県の名簿に載っていないのは当然です。
  3. 名簿の更新タイミングとずれている — 月に一度の更新なので、登録したばかりの会社は次回更新まで載りません。

ですから、名簿で見つからなかったときにやることは「候補から外す」ではなく、「どちらを持っているかを、その会社に聞く」です。

聞き方は難しくありません。

  • 「御社は解体工事業登録ですか、建設業許可ですか」
  • 「登録番号(または許可番号)を教えてください」
  • 「有効期間の満了日はいつですか」

この3つに答えられない会社は、金額の話に進む前に立ち止まったほうがいいと思います。逆に、登録でも許可でも、番号と満了日がはっきりしていれば、そこは問題ありません。

なお、登録の会社が許可の会社より技術が劣る、ということではありません。請けられる金額の上限が違うだけです。木造住宅1棟の解体なら、登録の会社で何の問題もありません。「大きいほうが安心」ではなく、「自分の工事の金額に合っているか」で見てください。

見積書の読み方は解体の見積もりが「一式」で来たときに分解すべき7つの費目にまとめています。

出典:解体工事業登録(神奈川県)/登録の要件(神奈川県)/解体工事業者登録簿の閲覧(神奈川県)/建設リサイクル法に違反した場合の罰則(東京都都市整備局)

この記事について

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